君のいない教室
「…で?」

「反応が薄いですよ!”相手は誰なの?”とか聞こうよ~!」


内野は、僕の背中をバシバシ叩いた。

正直、ウザイ。

僕はみら先輩に、フラれたばかりだと言うのに…。


「はぁ…で、誰なの?君の彼女さんは。」

「それが、驚くなよ?ちか先輩に告ったら、OK出ちゃってさ~♪」


いや、普通に驚くだろ。

俺と内野、2人揃って先輩に恋して、先輩と付き合うなんて…

まぁ、僕はもう別れちゃったけど…。


「凄いだろ!?ちか先輩も、ずっと好きでいてくれたんだって!ヤバイよ、嬉し~!」


僕は…こんな話を聞くために、保健室に来たのだろうか?

もう帰りたい。

恋の話を、楽しそうにする奴は、大嫌いだ。


「ごめん。その話はまた今度な。僕、教室戻るし。」

「そう…じゃな!」


僕は、内野を無視して、スタスタと保健室を出て行った。



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