君のいない教室
第4章「見知らぬメール」
翌日。

いつもより、早めに起きて、久しぶりに髪の毛を綺麗に整えていた。



みら先輩と別れてからは…服装なんてどうでもいいと思っていたけど…

好きな人を作るには、やっぱ格好つけなきゃダメだよな。


「…よし。」


僕は、小さく呟き、玄関に向かった。


「海?もう行くの?」


エプロンをつけた母親が、僕の背中に声を掛けた。


「今日、日直だから。」

「そう…。今日は、部活はあるの?何時頃帰って来るの?」

「ちょっと遅いかも。」

「わかったわ。…行ってらっしゃい。気を付けてね。」

「行って来ます。」


僕は、思い切り玄関の扉を開けた。


全てを、0からやり直すかのように、僕は歩き出した。



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