君のいない教室
「あっ、大蔵じゃーん!おっはよー!」

「…久保田。おはよ。」

「珍しー、今日は朝練来てくれるの?」

「あったりまえ。お前も行くだろ?一緒に行こうぜ!」

「…何かあった?」


久保田は、ちゃかすようにニコニコ笑った。

僕も、笑った。


…大丈夫。

もう、みら先輩は好きじゃない。他の人を好きになれる…。


「…何か、突然険しい表情になったけど、どした?」

「あ、ごめん。何でもねーから!ほら、行こうぜ!学校まで競争!」


僕は、そう言って、走り出した。

久保田もハァハァしながら、走り出していた。


「ちょっ、待ってよーっ!卑怯者めーっ!!」


久保田が大声で叫ぶ。

同じ、東中の人が何事かと思ってるかのように、横目で見て行く。


今は、そんなの気にならなかった。

この時間が楽しかった。




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