君のいない教室
ずっとずっと、この時間が続けばいいのに…。

そう思えた。


「…っ着いた!」


大きな声を出して、後ろを振り返ると、そこには疲れ切った顔の久保田がいた。


「大蔵、走るの速いねー!何でそんなに速いの?」

「親が速いから!」

「じゃあ、親譲りなんだね!」


流れる汗を拭いながら、久保田は僕に笑いかけた。

そして、僕にピースした。


「これ、罰ゲームとかないっしょ?」

「どーしよっかな!」


頭を抱えて、考え込む。

本当は、罰ゲームなんてどうでもいいのだけれど。

ここで、お別れをしたら、きっともう友達にはなれない。

仲良くなるにはやっぱり…


「じゃあ罰ゲーム!今日1日僕の言う事を聞く事!」

「げぇーっ!でも、クラス違うじゃんっ!めんどくさー」

「クラス違うからこそ出来る事があんだよ。」


久保田の回りには”?”マークがたくさん浮かんでいた。


< 60 / 103 >

この作品をシェア

pagetop