君のいない教室
それから…

僕は、久保田を思い切りパシリにした。


「ジュース買って来い」とか「教科書貸せ」とか…

久保田は、呆れた顔をして、僕を見つめていた。


「あのさぁ…罰ゲームにしては、多すぎない?」


そう言いながらも、笑ってジュースを買いに行っていた。


「でも、大蔵ってオレンジジュース好きだったんだ?」

「そうだけど悪い?」

「違うよ!私もね、オレンジジュース大好きなの!」


ドキッ…

白い歯を見せて、満面の笑みで笑う久保田。

そんな久保田を、不覚にも”可愛い”と思ってしまった。


「じゃあ、もう罰ゲーム終わりでいいよね?」

「あぁ…うん。」


ドクン…ドクン…


何でこんなにドキドキしているんだろう?

自分でも、わからなかった。




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