君のいない教室
何が起こったのかわからない、という顔をして、僕を見つめる幸。

先に目線を逸らしたのは、僕の方だった。


「海…みらちゃんを諦めて、違う女にするの…?」

「あぁ、そうだよ。…みら先輩も、きっと違う人を好きになる。僕達は、結ばれる運命じゃない。」

「…そっか。海が幸せなら…それでいいや。」


それだけ言って、幸は僕の部屋から出て行った。

本当は、何を伝えたかったのか、全くわからないけど。


でも、幸は、僕に幸せになってほしいんだって、その想いだけは伝わった。



――翌日。

学校を休もうかな、って思ったのは何回目だろう。

でも、今日休んだら、部活に行けないから、行く事にした。

…僕は、未だによくわからない。

でも、多分僕は、久保田の事が好きだ。


まだわからないけれど。



< 71 / 103 >

この作品をシェア

pagetop