君のいない教室
「でも、本当に相談乗るからね?相談してね!じゃあっ!」

「あっ、おい!」


職員室に行きかけた山田を引き留めたら、山田はくるっとこちらを振り返って、「ん?」なんて笑顔で言ってきた。


「鍵…」

「私が返しとくからいいよッ☆でも、その変わり何があったか教えてねッ!」

「結局そうなるのか…。」

「じゃあねッ☆」


笑顔で階段を駆け下りて行く姿は、本当に女の子ってかんじがした。

…って、山田は女の子なんだけど。




ガラガラッ


予鈴と共に、担任の先生が入ってくる。

それと同時に、皆席に着く。


「えーっ、今日は転校生を紹介します。中入って。」


今は6月。こんな時期に転校生なんて…変わった奴だな。


カラカラ…


少し、大人しめに扉を開けた転校生は、どうやら女の子だった。

そして、おずおずと中に入ってきた。


第一印象は…地味。




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