君のいない教室
キーンコーンカーンコーン


あれから、地味子・未夢は、忙しそうに僕に話しかけてきた。

つか、忙しいのは僕の方なんですけど…。


「海君っ、次の授業って何ですか?教えて下さい。」

「数学だよ。…ってか、タメ口でいいって。奴隷みたいだろ。」

「は、はい…。」


地味子・未夢は、授業が始まると、一切話しかけて来なかった。

なのに、数学の時だけ、僕の事をチラチラ見てるから、つい話しかけてしまった。


「…何?」

「えっ、あ…あの、まだ転校してきたばかりで、教科書がなくて…その…。」


あー、もう!言いたい事があるならさっさと言えっつの!

僕はキレる寸前だった。


「あのさ、言いたい事があんならはっきり言ってくんね?ムカつく。」


地味子・未夢は肩をびくっと震わせて、涙目になって言った。


「ごめんなさい…。」

「だから、謝るなよ。次から直せばいい話だろ。」


ってか、何で俺が、コイツのお世話係なんだよ…。

女子も、誰も話しかけようとしねーし…。


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