君のいない教室
――何だ?コレ…

未夢が、捨てられた子犬のように可愛い…。

何でそんな声で、”大好き”なんて言うんだよ。

恥ずかしくて、つい赤面しちゃったじゃねーか。

何故か未夢は、笑ってるし。


「つか、未夢。」

「何っ?」

「これからは、俺の事”海”って呼べよ。」

「へっ!?」


恥ずかしそうに、耳まで真っ赤にしてる未夢。

どんだけ可愛いんだよ。

つい、抱きしめたくなっちゃうじゃん。


キーンコーンカーンコーン


僕達の空気をブチ壊しにする予鈴が、鳴り響いた。


「そろそろ戻んねぇーと…。」

「そうだね…。」

「未夢。」


きっと”ん?”って言おうとしたのだろう。

僕は、振り向いた君に…キスをした。



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