期間限定、恋人ごっこ
「一週間、か」
家に帰り、ベッドにごろんと横になった。
制服がシワになるな、とぼんやり思ったけど、着替える元気はなかった。
「井口……」
私のこと、好きなのかな。
好きだったら、普通にOKしてくれるよね。
嫌いなのかな。
嫌いだったら、振るよね。
彼女がいる……とか?
いやいや、それはない……と思う。多分、きっと。
見上げた天井が、じわじわと滲んできた。目尻に溜まった涙は、するりとこぼれた。
中途半端は、嫌いだ。
けど、井口が何を考えてるのが分からないまま、終わるのも嫌だ。
何より、一緒にいたい。
一週間だけでも。それでもいい。