恋わずらい


『大丈夫です。
葵先輩が濡れちゃいますよ』

『あたしは大丈夫!
迎えに来てもらってるんだ♪』


そう言って微笑んでから葵先輩は、
あたしに赤いドットの傘を
無理矢理押し付けた。

正直可愛すぎて、あたしの好みじゃない。


『…ありがとうございます。』


『葵!』


少し離れた場所からあたしの知らない声がして、
葵先輩はまた笑みを浮かべた。


『今行く!』
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