元素記号
次の日は
3位決定戦。
先発は咲。
私はセンター。


試合が始まる。
咲は調子がいいようで
序盤からとばす。

初回は3人で終わる。



2回の守備。
私は人一倍大きな声を出す。
でも
気付いてしまった。
そんな私と裏腹に
咲のピッチングが
崩れれば良いと
思ってしまっている。
最低だ。




そんな事を
思っていたからなのか…?
6回。
咲がいきなり崩れ始め
1点差まで
追い詰められた。
すると監督が
ピッチャー交代をした。
もちろん私である。
肩も温まっていないし
気持ちが先走り
思うように投げられない。


でも6回は
なんとか乗り切った。



7回。
またピンチが訪れる。
2アウト3塁。
バッターは4番。
こんな
漫画のような場面て
あるのだろうか?
そう思うほどの状況。
初球
完全にど真ん中。



―カキーン―



昨日の雨が嘘の様に
晴れ渡った空。
真っ青の空に1つだけ
小さな丸い物体が飛んで行く。
どんどん遠くなる。


「えっ?」
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