元素記号

遠くなる距離

8月の始め、
いつものように
部活後
ジュースを買いに
校舎の中に入った。

咲と星先生について
話しながら…。

「まじで星先生かっこいい」

「いや、あれは微妙〜」

「んなこと無い!」

なんて言ってたら
目の前に
星先生がいた。


絶対に聞こえた…。
100%聞こえた…。
に、違いない。


咲と顔を見合わせ
猛ダッシュして
逃げた。

「どうしよう!!微妙とか言っちった!!」

「まだ咲ほうがマシだべ。うちかっこいいとか、めっちゃ騒いじゃったし!!」



あぁ
最低だ…。
すました顔してたけど…

これを機に
『俺に気があんのかな?』
なんて
思ってもらえない
だろうか?
それで
ちょっと
私を気にかけてくれるとか!


なんて
くだらない妄想が
次々に浮かぶ。
< 24 / 44 >

この作品をシェア

pagetop