元素記号
すると
いつのにか
佑太の顔がすぐそばに。

「ねぇ…だめ?」

「はぁ?」

するといきなり
押し倒される。

「や…やめてよ!!」

っと言った瞬間
私は
彼の頬を
思い切り平手打ちをしていた。

「ごっ、ごめん…。だって佑太が…。」

佑太が真面目な顔をして
下を俯いたまま言う。

「わかってるよ。わかってたよ。綾乃の心が俺にないことぐらい。」




「…星先生の事だろ…?」





頭が真っ白になった。
なんで?
誰にも言った事なかったのに?


「俺さ、本当に入学したばっかの時から、お前だけ見てたから…。それに…。」


佑太は大きくため息をつく。


「…見ちゃったんだ…。夏頃に星に抱きしめられてるところ…。化学室前を通ってたまたま振り向いたら…」
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