元素記号
久しぶりに
見つけた先生は
前にも増して
かっこよく
私の胸を熱くさせた。
一瞬
目が合った!
…気がした。
それだけでいい。
例え
目が合わなくても
ただ
一日に一回
後ろ姿でもいいから
一目だけでも
見られたら。



だから
その日の部活は
テンションが高かった。
部活が終わった後
顧問の先生に
呼ばれていたので
職員室に直行した。
もうすぐで
大会の為
ちょっとした
打ち合わせ的な事をして
帰ろうとドアを
閉めようとしたら


「頑張れよ。」


と、声がした。
振り向くと
星先生が
私のすぐ後ろにいた。


「は、はい。ありがとうございます。」


素っ頓狂な声で
それだけいい。
逃げてしまった。
走りながら
にやけがとまらない。
人気のない所に行くと
ふにゃっと
力がぬけ
その場に
へたりこんでしまった。
走ったせいか
先生に言われたせいか
心臓は高鳴っている。


うわっ…


泣きそう…


純粋に嬉しかった。
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