【短編】年上の幼なじみとの関係
「奥田くん、この前の話だけど.....」


「湯野って賢い奴だと思ってたけど、違うんだな。」

呆れたように私を見るクラスメイトの奥田 要くん。


イケメンでモテモテ。


そんな人に頼んだんだ。


ヤるだけなら、かっこいい人って。



「バカなことだってわかってる。
あんただって、バカがつくぐらい優しいじゃん。」


かっこいいだけじゃないから。


性格だって。


「俺は、臆病なだけ。」


「なら、嘘でも私を彼女にしたら?
毎日、告られてるのにつきあわずに遊ぶのは、そのせい?」


ちょっとだけビックリ。


「俺は、相手も俺も好きという状況でつきあいたい。
つきあってても片思いは、辛い。」


マジメなんだ。


けど....


「そんなん奇跡じゃん。
つきあって気づくこともある。」


「わかってる。
ただ、明らかに俺を好きじゃなかったり、好きになりそうもなかったら、無理だろ?」


言ってる事は、よくわかる。


でも、手遅れな私には、先がない。


可能性のあるなしの前に壊してしまった関係。


戻ることもできない関係。
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