【短編】年上の幼なじみとの関係
「あっ!?
渉さんだ。」


ぼけっとしてる私の横で呟いた奥田くん。


渉さん?


「奥田くんって、渉くんと知り合いなの?」


「はっ!?
もしかして、あの渉さんが、湯野の渉くん?」


奥田くんは、よほど驚いたのか私と渉くんを交互に見ていた。


「うん。
やっぱり、言う前に玉砕だね。
やっぱ、大学は推薦やめてあっちにするよ。
渉くんと女の人が一緒にいるとこを見て、こんなに辛いとは思わなかった。」


私は、自然と奥田くんに抱きついてしまった。


誰かに甘えないと壊れてしまいそうで。


「ゆ、湯野?
離れようか?」


奥田くんは、すごい動揺してるみたい。


けど、私に奥田くんを気にする余裕なんてない。


「おい、要。
千世に触んなよ。」


私は、無理矢理奥田くんから離され、誰かに抱きしめられた。


声から推測するに、渉くん。


けど、渉くんなわけがない。


だって、声が怒ってる。


「渉さん、別に俺から....」


けど、奥田くんが渉さんって言うから、渉くんなんだ。


もう終わりだ。
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