いつか、伝えて
「いきなり、好きとか言うのも


 いきなり転校するのも


 全部、全部自分勝手じゃないか。」



「うん、そうだよね。」



「俺の気持ちは完璧無視かよ。」


そう言った電話越しの


キョウヘイは


気のせいだろうか?


泣くのを我慢しているようだった。


「俺、今すぐ行くから。


 今どこ?」



「いいよ。辛くなる。」



「どこだって聞いてるんだよ。」



「空港に向かってる。


 青空橋の近くだよ。」


「おっけ。そこ、動くな。」


そう言って、


電話は切れてしまった。



ツー、ツー、ツー。



悲しい音が響いていた。
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