いつか、伝えて
「レ―――――――ン!!!!!!!!」




聞こえる。


確かに聞こえる。


聞き間違えなんかじゃない。





のろのろと走るバスの向こう側に


ものすごい形相で


自転車を走らせる、キョウヘイが


“レン”とはてしなく叫んでいた。






「キョウヘイ?!


 何やってんの?!」





「バス止まりやがれ―――!!!!」




キョウヘイの思いはむなしく、


のろのろと、マイペースながらも


バスは、レンの元へとやってきた。



「レ――――ン!!!


 行くな!


 好きなんだよ!


 お前しかいらねえんだよ!」





「キョウヘイ?!」
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