いつか、伝えて
ガラガラガラ――



ドアを開ける。



拍手が飛んでくる。



キョウヘイを探す余裕なんてない。



レンは緊張のため、

ぎくしゃくとした歩き方で

先生の横に行く。



そして、自己紹介を始める。



「アンザイレンです。」


慣れていたはづなのに、


昨日の夜も、何度も何度も


言う事をおさらいして、備えていたのに、


言えたのは、名前だけだった。


よろしくおねがいしますと、礼を


すると、レンは、


先生に指定された席へと向かった。


席に座り、鞄を置く。


横からレンを呼ぶ、声がした。
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