いつか、伝えて
「あのさ、キョウヘイ。

 
 私が、2年間、


 キョウヘイの前に


 居なかった頃の


 今までのキョウヘイを


 教えて。」





「・・・何いきなし。」




キョウヘイは笑う。




「私は、代わりに、


 キョウヘイの無くした記憶を


 ひとつづつ、教えるから。」




キョウヘイの事が知りたい。



キョウヘイに私を知ってほしい。




「あたりまえじゃん。」




「え?」



「俺の記憶を取り戻すのは、


 お前の仕事。


 頼むよ。


 レン。」




「うん。」



精一杯頑張るから。


そう、気合を入れて


ガッツポーズを取るレンを


キョウヘイは優しくほほえみ、


見つめていた。
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