いつか、伝えて
「あ、決まったのー?」




ミユが振り返り、言う。



「うん、ユウキ様が


 考えてくれたんだって。」




「まぢでー。でも


 ユウキだもん。


 センスなさそうー。」




ミユが笑う。




「っは、なめんなよ。」



そう言いながらも、


ユウキは嬉しそうだった。




「じゃあー、これ、


 旅のしおりね。」



ユウキが“当然”のような顔


をして、小学校で作るような、


丁寧にホッチキスで止められた


冊子を一人づつ配る。



5ページほどの

薄いしおり。


中には、予定と時間。


持ってくるもの。


そして、最後に、




“おやつ300円まで

 (バナナはおやつに入りません”



そう、1ページ丸まる、


書かれてあった。







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