。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



って違~~~う!!!



まだ始まったばかりじゃねぇか!!




主人公が彼氏を殺すなんざ、どーゆう物語なんだよっ!!



どーしてこうなったんだろ……






―――そもそもの始まりは、遡ること一時間前。いや、二時間かな。


どっちでも良いや。


例のごとく、戒と二人で夕食の後片付けをしているときだった。


「再会祝い??」


「そ。せっかく無事再会できたわけだし、今後のことも兼ねて一杯やらねぇか?」


戒は皿を洗いながらご機嫌に言った。


そう、あたしたちが無事再会できたのはほんの数時間前。


龍崎家では久しぶりに全員揃ったお祝いだとかで、組のもんが派手にどんちゃん騒ぎを起こしていた。


って言うか組の野郎どもは単に騒ぐ理由がほしかっただけで、名目なんて何でも良かったんだ。


もちろんあたしたちはお茶だったけど。


「一杯って…お前未成年だろ?って言うか…その……二人で?」


ドキドキした面持ちで戒を見上げると、こいつは手元に集中しながらさらりと答えた。


「ううん。響輔も一緒に三人で」


「何だ、良かった」


ほっと胸を撫で下ろすと、戒が不機嫌そうに目を細める。


「なんでぃ。俺と二人きりは嫌だってのかよ」


「……そ。そう言うわけじゃぁ……」


だってたった数時間前再会して―――そのときあたしこいつに、





「好き」






って言っちまったんだよ!?


しかも「お嫁さんにして」なんて発言も!!


いきなり二人きりなったら、こいつが狼に変身すること間違いNothing!!








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