。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
龍崎家に向かう道すがら、三人で歩いていると聞き覚えのある着メロが流れてきた。
~♪
こ、このメロディは!
あたしは慌ててバッグの中からケータイを取り出すと、両隣を歩いていた戒とキョウスケも同じようにケータイを取り出していた。
三人同じようにサブディスプレイを見て、
「あ、俺だ」
と、キョウスケがケータイを開く。
「って言うか、三人一緒なのかよ!しかも極妻!!」
「響輔の着メロも俺が勝手に変えてやったんだよ♪」
なんて戒は得意げ。キョウスケはちょっと迷惑顔だ。
ったく、どこまで自由人なんだよ!
あたしは心の中で戒の性格に突っ込んだ。
キョウスケはメールを開きながら、
「あ。リコさんからだ」とさらり。
「え!?おめぇリコの番号知ってンの!?」
もしかして好きな人ってリコのこと??
「こないだ教えてくださいって言われて、その場で赤外線で交換したんですよ」とキョウスケは気のない様子。
リコ…そう言えばキョウスケのことやたらと気に入ってたな。
あの後も「キョウスケさんて彼女居るの?好きな女の人ってどんなタイプ??」とか色々あたしに聞いてきたっけ。
「もしかして♪川上は響輔にラブ??」と戒がわくわくしたように聞いてきた。
「まさか。それはないですよ。ちゃんと会ったのは昨日が初めてだし」と、キョウスケ。
「そんなの分かんねぇじゃん。俺なんて写真で一目ぼれだぞ?」
と戒が悪戯っぽく笑ってあたしを見てきた。