。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


あたしは照れ隠しと、同時にそれ以上の不安に、むやみやたらと手を動かせた。


戒と一緒なのは嬉しいけど、意識しだすと急に恥ずかしくなる。


今は台所で戒と二人きり……


心臓の音、聞こえないかな?なんて心配しながら、ゴシゴシと無言で皿を洗っていると、


「お嬢、ビールの空き缶これで最後です」


と、蠍座キョウスケがひょっこり顔を出した。


き、キョウスケ~~~!助かった!!


そだ。


キョウスケと言えば……


「なぁキョウスケ。お前がマクラ(あざらしのぬいぐるみ)につけてくれたリボンやっぱりとれちまった。(ついでに言うと頭が割れてるんだ)直して」


「分かりました。じゃぁ後ほど」


キョウスケは無表情に言うと、盆に乗せたビールの缶を流し台に入れていく。


左隣には戒。右隣にはキョウスケ。


こーゆうのって両手に花?って言うの??


二人ともイケメンだし。


「響輔、おめぇ裁縫なんてできんの?」


「ええ。できますよ。手術の要領で」


し、手術……


あたしと戒は顔を見合わせて、「うげぇ」ってな感じで顔をしかめた。


そっか。そう言えばこいつ医学部生だっけね。しかも東大の!!


戒を襲った奴から奪った注射器もキョウスケが研究室で調べてくれたんだ。





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