。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「って言うか早く着替えたら?もう休憩終わるぜ?」
「あ、あぁそうだな」と着ていたキャミに手をかけて、ちらりと隣の戒を見る。
戒はテーブルに頬杖をついてにこにこしていた。
「っつか着替えるんだけど」
「うん♪いいぜ?それとも俺が手伝ってやろうか?こっちの方が元気になるし♪」
げ、元気!?
戒の手がキャミに伸びてきて、あたしは思い切り、こいつの顎にパンチを喰らわせてやった。
戒を追い出して制服に着替えると、あいつの意味深な発言の意味も分からず、あたしはもやもやした気持ちを抱えたまま持ち場に戻った。
って言うかタクは!?あいつはどーするんだよ!
でも…
リコはタクみたいな極悪人よりも、爽やかなキョウスケの方が合ってるよな。
だってあいつは…タクは、貸した金返せない女を風呂に沈めようと(※風俗に売り飛ばすこと)したんだぜ?
何とかあたしが阻止したけど!
※。・*・。。*・Cherry Blossom・*・。。*・。第一部参照
結局、あの後少し時間は掛かったが、金はきっちり利子つけて返済してもらった。
売り飛ばされそうになっていた女は、その後田舎に帰ったとか。
めでたし、めでたし♪だ。
話は逸れちまったけど、タク!!
ありえねぇっつの!
何て若干怒りながらトレーを拭いていると、戒が休憩から戻ってきた。
さっきの狼チックな表情はどこへやら。相変わらず憎らしいほど爽やかな笑顔だ。
カランッ
レトロ調のドアベルが鳴って、あたしは反射的に入り口に顔を向けた。
「いらっしゃ―――」
言いかけて、
!!
入ってきた人物を視界に捉えると、慌ててカウンターの下に身を隠した。
お、叔父貴――――!!!