。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
今日はいつもの細身のスーツじゃなく、濃いグレーのV開きカットソーに、程よく色落ちした細身のジーンズ。
目に直線的なデザインのサングラスをかけて、いつもはオールバックにセットしてある黒い髪も今日は無造作にセットしてあった。
ちらりと見ただけだけど、私服を着ると5歳程若返って見える。
って言うか超かっこいいんですけど!!
で、でも、何で叔父貴がっ!?
「いらっしゃいませ♪」
とすぐ隣で戒は叔父貴とは気付いていない様子でよそ行きの声で挨拶して、そしてあたしの挙動不審な行動に、戒は不審そうに見下ろしてきた。
「よぉ、戒。ちゃんとやってるみてぇだな」
カウンター越しに聞こえる重低音。
「え?琢磨さん!?びっくり…別人に見える……」
と言いかけて、戒はちらりと再びあたしを見下ろしてきた。
バ、バカ!見ンじゃねぇ!!
戒の足元でうずくまりながら、その上更にトレーで顔をこそこそ隠す。
戒の脚がちょっとあたしをつついた。
「なんで隠れるんだよ」
そう聞かれてる気がした。
叔父貴にはバイトしてること言ってねぇんだよ!
あたしは必死に目で訴えた。