。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
戒は憎らしいほどかっこよくて余裕を滲ませた笑顔を浮かべて、耳を指で塞いでいる。
「さすがはあの龍崎 琢磨の姪だな。怒鳴り声もハンパねぇ」
「そうやってすぐお嬢を困らすのはやめてください」
き、キョウスケ…おめぇ優しいなぁ。さすが年上の男だ。
なんてじーんと感動していると。
「俺までとばっちりがきますから」なんてさらりと言いやがった。
キョウスケっ!てめ!!
戒はくつくつ笑うと、キョウスケをぎゅぅと引き寄せた。
「響輔、やっぱお前好き♪んじゃ、俺こいつと風呂入ってくるから♪覗くなよ?」
「だ、誰が!!」
「ってか、いつの間に入ることになってるんですか」
そんなことをわぁわぁ喚いていると、マサがもの凄い形相…まさに鬼と呼べるな…
そんな顔で台所に入ってきた。
「おい!メガネ(戒のこと)、キョウスケ!!おめぇらお嬢に手出してねぇだろうなっ!!」
怒鳴り終わって、抱き合ってる(ように見える)戒とキョウスケを見るとマサはびっくりしたように目を丸めた。
そしてあからさまに表情を歪める。
「おい。家の中でイチャつくんじゃねぇ!お嬢の目に毒だっ!!」
戒とキョウスケはぱっと体を離すと、
「「はい。すみませんでした」」
とあっさり頭を下げる。
マサは戒とキョウスケがデキてるって本気で思ってるらしく、あたしたちもそれを否定しない。
何故ならあたしと戒が付き合ってるカムフラージュになるから。
マサがぷりぷりして行ってしまうと、「やっぱりとばっちり」とキョウスケがため息を吐いた。