。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「な、何でもない!行こうぜ」


あたしはその考えを振り払うように、わざと空元気に言って叔父貴を促した。


突き当たりは屏風風の襖があり、


その襖には鋭く光る眼孔と、触れるだけでも八つ裂きにされそうな鋭い爪を光らせ、


うねうねと長い胴体はどこまでも続いていそうな……


猛々しい龍が迫力のある…しかしやっぱり美しい顔をこちらに向けている様が描かれていた。



夢で見た―――襖。



叔父貴がそれに手を掛けると、ゆっくりと両開きに開いた。


ドキンドキンと早くなる心臓押さえ、一歩足を踏み入れたが、すぐに墓には辿りつかず、また小さな部屋に出て正直拍子抜けした。


墓参りなんて多くて年に三回程度だ。


あたしの記憶って曖昧だなぁ、なんて思っていると、叔父貴はどんどん先に進んで行って、あたしは慌ててその後を追った。


そして突き当たりに、襖ではなく、重圧的なこげ茶の扉が現われた。


四隅に金色の装飾が施してあって、内枠を縁取っている線も金色だ。


金色の二匹の龍が両脇の取っ手になっていた。





伝説の……双龍―――





この先が―――青龍の墓。







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