。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


ってか小っちゃいだけ余分だよ!


どうせあたしはチビですよー。


って、そんなことは今はいい。


「青龍会本部―――行ってきたぜ」


あたしは腕を組んで、二人を見渡した。


二人ともさっきのおふざけとは一転、表情を引き締めてあたしを見つめ返してくる。


まっすぐな視線を受けながらも、あたしは口を開いた。


「キョウスケ、おめぇが調べてくれた通り、あそこはかなりセキュリティがしっかりしてる。墓には何も…なかった…ように見えたけど。

ってか、キョウスケ、おめぇコンピューターに侵入したことバレてんぞ」


あたしの言葉にキョウスケはちょっと虚を突かれた様に目をみはった。


「うまくやったと思ったんですが」


「いや。実際うまくやったと思うよ。叔父貴にはバレてなかったしな。気付いたのは鴇田だよ」


「鴇田……またあいつか……」


戒が腕組みをして、目を細めると眉間に皺を寄せた。


「厄介なヤツだな」


唸るように呟くと視線を険しくさせ、どこか遠くを見る目つきであたしの後ろの方を見ている。


「陰険蛇田のことは今はいいよ。それよりあたし青龍会本部で変な女に会った」


「「変な女??」」


戒とキョウスケの声がきれいにハモる。


二人が同じタイミングであたしを見た。


「ああ。幽霊みてぇな女でさ…薄気味悪かった。


お前も知ってると思うぜ?」


あたしは戒をちらりと横目で見て、ちょっとだけ目を細める。


「知ってるって?」戒が訝しげに眉を吊り上げた。





「おめぇを前にナンパしてた女だよ。





名前はイチ―――」







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