。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
ぞくりと悪寒を感じて、あたしは両肩を抱いた。
雪斗はもう居ない―――
この世のどこにも……
遺体は叔父貴がどこかへ捨てに行った。だから青龍会本部の奥に位置する墓にも、奴の魂が眠っているわけではない。
それでもあたしはあの場所で
雪斗があたしを呼んでる気がしてならない。
呼んでるのはあたしか―――それとも叔父貴か……
それともあたしたち二人か。
どちらにしろあの場所が、今回戒が狙われたことと無関係だとは思えないんだ。
戒―――……
病院で狙われて以来、襲撃に遭ってはない。
今のところ…
それでも白虎の跡取り候補が、敵陣である青龍に居ること自体危険極まりない。
またいつ狙われるか……
あいつはそんな心配微塵も滲ませない。
ストレスで壊した胃もすっかり回復しているようだし。
それでも盃の話が具現化している今―――
白虎の戒を護れるのは―――
あたししか居ない!
たとえ叔父貴が何か企んでいようと、あたしが叔父貴に拳を向けようことがあっても戒を必ず護る!!