。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
その気持ちが伝わったのかな…
戒は酷くバツの悪そうな表情を浮かべて、頭を掻いた。
「悪りぃ。つい…」
あたしは肩を撫で下ろして、思わず俯いた。
色褪せた畳が目に入り、その編み目の辺りを所在無くキョロキョロと視線をさまよわせる。
「順序立てて教えてください。その人とはどうゆういきさつで会って、何を話したのか」
キョウスケがあたしの両肩に手を置いて、あたしの顔を上に向かせた。
キョウスケも表情は真剣そのものだったけど、戒のような迫力を湛えていない。
穏やかな黒い瞳があたしの話を受け入れようとしている。
あたしはもう一度戒の方をちらりと見ると、戒も琥珀色の瞳を緩ませて、ちょっと笑った。
「ホンマに悪かった。キョウスケの言う通りや」
堪忍な…
そう言い置いて、戒はあたしの頭を撫で撫で。
戒の掌はあたたかくて、さっきの恐ろしいまでの感情は微塵もなかった。
何故だかほっと気が緩んで、あたしは不安だった気持ちを落ち着かせることができた。
ちょっと深呼吸して、
「青龍会の、墓に続く長い廊下があるんだ…」
あたしはとつとつと喋り始めた。