。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
フラッ…
ふいに戒の体が傾いて、戒は慌てて傍にあるテーブルに手を置いた。
「へ!?大丈夫!!貧血??」
「いや…大丈夫だ。ときめき過ぎてちょっと眩暈が…」
と、トキメキ―――!!!
ギュ~ンと心臓が変な音を立てるのが分かって、あたしは胸に手を置いた。
「朔羅」
呼ばれて、顔をちょっと上げると戒の優しい笑顔が目の前だった。
キュン
と心臓が鳴って、あたしは戒を見つめ返した。
戒の顔が近づいてきて―――
今度は戒の方からキスしてくれた。
重ねるだけの甘い口づけを交わしながら、やがてちょっとだけ唇を離すと、戒はあたしの額にこつんと自分のおでこを重ねてきた。
僅かに目を伏せて、戒の長い睫が頬に影を落としている。
男のくせして、何でこんなに睫長いんだよ…
なんて場違いなことを考えながらも、あたしは戒のそんな完璧な容姿にドキドキ…目が離せなかった。
僅かな沈黙が降りてきて、
「あんまりさ……」と戒がぽつりと漏らした。
「ん…?」
「俺…あんまりヤキモチとか妬いてると、朔羅に嫌われるよな。かっこわり」
恥ずかしそうに目を細めて戒は顔をそらした。その頬が少しだけ赤い。
何か……ヤバイ……すっごい可愛いんですけど……
キュン
心臓が小さく音を立てて縮まり、あたしは思わず心臓の辺りを押さえた。
「あたしがあんたを嫌いになるわけないじゃん」
そう続けると、戒はまたもちょっとだけ顔を赤くして笑った。
「俺付き合った女は少なくないけど、どれも本気の恋じゃなかったから。なんつーの??いわゆる恋愛ビギナーってやつで…」
戒が恥ずかしそうに顔を赤くして、顔を戻した。
真正面から見つめられ、だけどその視線は真剣そのものだった。
「気持ちでは誰にも負けへんけど、朔羅に嫌な思いさせたらあかんなぁ思うて…
ちょっとセーブ……してた。
少しだけセーブ解いても―――ええ?」