。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


セーブを解く………?


それが何を意味するのか、いくら鈍感なあたしでも分かるよ。


いつも強引な戒に流されるような感じでそんな雰囲気になるけど、


今回は違う。


いつもの狼みたいな性欲まる出しじゃないし……


って言うかあれは半分冗談だったのかな、って思えるぐらい真剣な眼差しだった。


あたしを本当に大切にしてくれてるのが分かるし、それと同時にあたしも―――


戒ともっと先に進んでみたかった。


あたしが顔を赤くして小さく頷くと、戒はふっと優しく笑った。





「朔羅」





戒があたしの腕から顔を上げて、あたしの背中に腕を回すとぎゅっと抱き寄せられて、口付けが降りてきた。


甘い口付け……




「朔羅」




口付けの合間にもう一度名前を呼ばれて、顎をちょっと下げられると、それを合図に戒の舌が遠慮がちにあたしの口腔内に入ってきた。


戸惑うあたしの舌を、戒の舌が優しく捉え、複雑に絡まりあう。


こんな深いキスは―――


雪斗としかしたことがない。





だけど雪斗のとは違って


あったかくて優しい。









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