。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


戒の唇が首から離れてもあたしは戒の首から腕を離さなかった。


「俺のもんだって言う印」


柔らかく笑って、戒があたしの頭に手を回す。


その掌が、その瞳の奥にある優しい光が―――まるで熱を持ったように熱くて……


あたしの中にわだかまっていた色んなものが溶けていく気がした。


「独占欲?」


あたしは目だけをちょっと上に上げて、戒の様子を窺う。


「悪いかよ」恥ずかしそうに唇を尖らせて、それでも戒はあたしの頭から手を離さずに、また顔を近づけてくる。


何回してもキスって緊張する。


あたしってキス下手かなぁ。


戒にうまく応えてる??


戒は満足してる?


それでもドキドキと煩い心臓を宥めながら、あたしはおずおずと戒の背中に手を回した。


ああ…緊張し過ぎて眩暈が……


……ん?眩暈??


ふらりと体が傾いて、あたしはいつの間にか何かの上に寝かされていた。


そこがさっき戒が座っていたテーブルだと気付く。


…え…えぇ??


いや…セーブ解いてもいいっていったけど。


言ったけど………


戒がテーブルに手をついてあたしを上から覗き込む。


いつものふざけた調子じゃない。いつもの憎らしいほどの俺様態度じゃない。


瞳の中には、ただ真剣な光りだけが宿っていて、


あたしはそのきれいな瞳から目が逸らせなかった。





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