。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
あたしの左手をそっと持ち上げられ、薬指の……ちょうどリングがはめられてるところに口付けが降りてきて、
「お前が好き。お前の全部が欲しい」
そう囁かれて―――あたしは空いている方の手で戒の頬をそっと撫でた。
「あたしも……」
ちょっと前までは……
雰囲気とか、シチュエーションにこだわってたけど……
戒を好きって言う、溢れ出す気持ちを今は抑えられない。
こんなにも好き―――
こんなにも……
気持ちを込めてぎゅっと手を握り合い、あたしたちは再びキスをした。
戒の心地良い体の重みを感じて、あたしがぎゅっと背中に手を回すと、戒の手があたしのふんわりしたデザインのスカートの中に入ってきた。
遠慮がちに太腿を撫でられて、くすぐったいのと、気持ちよさがあいまってあたしの頭の中がぐちゃぐしゃに溶けていく様……
「朔羅―――……好きやで」
耳元で囁かれて、戒の大きな掌が上にあがってきた…
ドキンドキンと心臓が暴れる音が煩い。
そのときだった。
ガチャガチャっ!!
「あれ!?また鍵が掛かってる!何でっ!?」とおネエ店長の声がドアの外で聞こえた。
あたしたちはびっくりして飛び上がると、顔を合わせて目を見開いた。