。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
聞きたいことがあったけれど意気消沈…
こいつがあのイチって女の父親だとは到底思えないし。
って言うかこの男が女とまともに付き合える筈がねぇな。
勝手にそう決着を着けると俺はベッドを降りたった。
「待ちなさい!」
いつになく厳しい声が飛んできて、後ろからガッと肩をつかまれる。
今度は何?うんざりしながらも振り返ると、ドクターはにこにこしながら紙袋を俺に突きつけてきた。
「衣装。忘れ物だよ♪それと」
と言いかけて俺の尻に突如手を這わせてくる。
ま、マジで変態かも!俺がズサッと後ずさりするもドクターの腕の力は緩まない。
撫で撫でと撫でさするいやらしい手に、俺は二度目の頭突きを喰らわそうと決め込んでいたときだった。
「これは置いていってもらおうかな♪」
と、手に持ったUSBを俺の前に掲げる。
俺はごくりと唾を飲んだ。
「個人情報保護法だよ。残念だけど、これを君に渡すことはできない♪ここで逃げると窃盗容疑で捕まっちゃいますよ。
テレビに“美・少年A”って映ってもいいんですか?」
う゛
俺は詰まった。
って言うか“美”は要らねぇだろ……
ドクターはUSBを白衣のポケットにしまいこむと、「君の目的は分かって居ますよ。つい今しがた弟から連絡がきたのでね。まさか正面きって乗り込んでくるとは思いもよりませんでしたが」
と顔を近づけてにこにこと楽しそうに笑う。
俺は眉間に皺を寄せて、顔を後退させた。