。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「そうだ鴇田。朔羅が将来的に店を開きたいそうだ。そのときは相談に乗ってやってくれ」
「店を―――?ほぉ、それは興味深い話ですね」
鴇田は顎に手を当て興味深そうに目を細めた。
完全に―――帰るタイミングを逃しちまった。
「どんなお店ですか?ケーキ屋さん?花屋?」まるで小さな子供に聞くように、鴇田が聞いてくる。
あたしはぷいと顔を逸らした。
ガキじゃねんだぞ。
それでも
「ちっちゃい居酒屋みたいなもんがいい。小料理屋って言うのかな」
と何となく答える。
叔父貴にこんな話をできるチャンス滅多とない気がしたから。
素直な気持ちを伝えておくのはいいよな?
「小料理屋?ほぉ、それは是非行ってみたかったな」
あたしの目の前で叔父貴が優雅に脚を組みながら、ほんのちょっと笑った。
何で……
何で“行ってみたかった”なんて過去形で話すの?
何で―――そんな寂しそうな顔で笑うの。
何で―――――?