。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「俺の話は以上だ。お前は?何か質問とかあるか?」
聞かれてあたしは、はっとなった。
いや……いきなりすぎて、思考がぶっ飛びそうになるよ。質問どころじゃない。
「まぁ突然言われて戸惑うのは分かるが、お前は何も気にしなくていい」
叔父貴はあたしを安心させるためちょっと笑った。
そしてまたあの寂しそうな笑顔を浮かべると、僅かに首を傾けた。
「俺が……」言いかけて、鴇田の方を目配せする。
鴇田はそれが何かの合図だと思ったらしく、素直に立ち上がり、頭をちょっと下げると部屋を出て行った。
きちんと扉が閉まったのを確認すると、叔父貴はあたしを再び真正面から見据えてきた。
「俺がお前に残してやれるものは―――そんなものしかないからな。
ごめんな」
“ごめんな”
どうして謝るの―――?
それにあたし叔父貴が居てくれれば、他に何も要らないよ?
財産とか、地位とか―――
だって叔父貴はすでに戒と出会わせくれた。
もうそれだけで充分だよ。
だから
居なくなっちゃうみたいなこと―――言わないで。