。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
「でもさ、その叔父貴が知られちゃまずいって思ってるのってさ、例のキャンサーセンターのことじゃない?
あんたがあたしに伝えようとした途端、襲われたじゃん」
この話題はしばらく避けようと思ってた。
だけど、どうしてもこの言葉が今回の事件のキーワードになってる気がするんだ。
あたしはちょっと顎を引いて、顔色を窺うように戒とキョウスケを順に見た。
戒とキョウスケは同じタイミングで顔を合わせると、二人とも言い辛そうに表情を歪める。
やっぱり…あたしの勘は間違ってなかったようだ。
「教えてよ。それが何なのか」
二人は互いに目配せして大きく頷くと、戒の方が先にあたしの方を見た。
まっすぐな視線に、戒が正しいことを言ってくれるであろうことが分かった。
思わず姿勢を正す。
戒の少し薄めの形の良い色っぽい唇がゆっくりと開いた。
「キャンサーセンターとは、癌センターのことだ」