。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。





俺は―――……俺の罪は雪斗を殺めたことではない。


実の弟で、信頼もしていた。俺のことを素直に慕ってくれていたあいつが可愛いと思っていた。


いや、実際朔羅にあんな非道なことをしていなかったら、今でもあいつを可愛がっていたと思う。




だけどあいつに……朔羅に、一生消えない傷をつけた。



その罪は死に値する。






そして俺は朔羅を―――、一生自分から離さない運命へと導いた。






朔羅の握っていた包丁は、俺の雨龍に比べ物にもならないぐらい殺傷力の低いものだった。


普段料理で使用しているものだから尚更だ。


あの程度の刃物で刺しても、致命傷には至らない。


実際朔羅が雪斗を刺した場所も急所を外していた。





そうゆう意味で雪斗を殺めたのは―――




俺だ。







だけど朔羅には、運命を共にすることで俺たちに一生の絆があることを



俺は知らずのうちに植えつけていた。









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