。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
いつから朔羅のことが愛おしいと思ったのかは明白に覚えていない。
ただいつの間にか……まるで大輪の薔薇がゆっくりと咲くように、美しく成長するあいつに―――
いつしか俺は姪以上の感情を抱いくようになっていた。
俺がそう思うのだ。組の男どもだってそう思ったに違いない。
ただあいつらは俺の目があるから、朔羅に手を出すことはなかった―――
マサから「雪斗さんとお嬢の様子が変なんです」なんて相談されたとき、俺は顔から血の気が失せる思いを覚えた。
思い起こせばあのときのマサも相当な覚悟を持って、俺に話を持ち込んだに違いない。
あいつも俺と同じように悲痛な面持ちで、俺に必死に訴えかけていた。
マサは―――朔羅が生まれたときからあの家に居た。
あいつは朔羅を本当の娘のように、妹のように純粋に可愛がっていた。だからそのショックも相当だったと思う。
迂闊だった。
としか言いようがない。組のもんは誰も手を出さない。
だけど俺と同じだけの権限と力を持った―――最も恐ろしく…そして美しい男が
こんなに近くに居たことを
俺は失念していたのだ。