。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
まぁ今はその変態論は置いておいて……
あたしは戒の足元に置いてある紙袋を手に取った。
「これ、何?」
「あー、それ?あの変態ドクターが俺にくれた。お前に着せて楽しめってさ♪」
「はぁ!?」
戒の答えにあたしは慌てて紙袋の中をまさぐった。
ナース服に、セーラー、婦警さんに、レースクイーン………出るわ出るわ…なんかエロビデオのタイトルに並んでそうなコスチュームばっかり!
「な、何だよ!これ!!ってか着ないしっ!」
あたしが喚くと、戒はあたしの膝からむくりと起き上がり、その中の一つ、ナース服を取り出した。
「これがあいつのお勧めらしいぜ♪」なんてあたしの体の前に当てている。
「き、着るかよ!このっ変態っ!!」
「男なんて大概変態だぜ?なぁ響輔。お前も好きだよな、ナース♪」
「いえ…俺ナースは別に…」
白い目で戒を睨みながら、キョウスケが冷た~く口を開く。
「響輔っ!てめっ!!裏切りもん!じゃぁ何だ、キャビンアテンダントか?」
「いえ、それも…」
「ミニスカポリス!」
「おまわりはちょっと……」
ってか“おまわり”とか言うなよ。真面目そうな顔してさりげなくガラわりぃぞ……そう言えばこいつも一応極道だっけね…忘れかけてたぜ…
「セーラー服、バニーちゃん、メイド服!!」
戒はどんどん言って、衣装を出していく。そのどれもキョウスケはお気に召さないらしく首を振っている。
「お前とキョウスケを一緒にすな!」途中で助け舟を出すつもりであたしは戒の頭をはたいた。
戒は大げさに頭を押さえて、
「男は大概好きなんだよ!」とまだ言いやがる。
諦めたのかキョウスケがため息をちょっと吐き、
「まぁ……敢えて言うのなら……和服―――とか…?」
と白状して衣装の一着を取り出した。