。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


そう言えば叔父貴が二週間後に衣装合わせに行くって言ってたよなぁ。


あれってそうゆう意味だったの!?


「お前、和服だけはやめておけよ?響輔に襲われっぞ」


戒が腕を組んだままキョウスケをちょっと睨む。


「お前じゃあるまいし、それはないよ。な♪」そう言ってキョウスケを見ると、キョウスケは口元を押さえて、視線を泳がせていた。


てめ!今変な想像しただろっ!!


って言うか、キョウスケ!!お前好きなやつどーしたんだよ!


あたしに欲情してる場合じゃないって…


と、まぁ男の事情はさて置いて……


「お前後継者の話聞いてた?」あたしは戒を見上げた。


「聞いてはなかったけど、何となく予想はしてたから、それほど驚きはないな」


「そーなんだぁ……」


予想してた…って、どうして??だって普通に考えたら早過ぎるんじゃない?


それに黄龍襲名って―――


不安そうに思ってると、戒がぎゅっとあたしの手を握ってきた。


「まぁ色んな意味で夫婦になるわけだし?仲良くしようぜ~♪」と全然深く考えてなさそうに明るく笑う戒。


あたしはその手をそっと握り返した。


いつもなら人前で恥ずかしくて跳ね除けてるんだけど。しかもすぐ隣にはキョウスケだって居るわけだし。


でも―――


突然出てきた後継者の話に、あたしの中に、何だか一言で言い表せない不安が潮が満ちるように押し寄せてきて、


怖かった―――





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