。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「君は魅力的だからね。虎間 戒も鷹雄 響輔も君に惹かれるんじゃないかな。そのアイデアはいいと思うよ~」


「嘘くさい台詞ね。本心じゃないくせに」


あたしは真顔に戻すと、シャンパンを強引に煽った。


男は苦笑いを漏らすだけだった。


「鷹雄 響輔はあたしを好きにならなくてもいいわよ。ただ龍崎 朔羅と虎間 戒との間を引っ掻き回してくれればそれでいいわ」


あたしの答えに、男はちょっと意外そうに目をみはった。


「それは鷹雄が龍崎 朔羅を好きになるかもってことかい?」


「好きになるかも、じゃなくて好きなのよ。本人は気持ちを伝えるつもりがないのか、随分彼女に対してストイックだけどね。


でもこの際だから、あたしがキューピットになってあげるわ」


わざと明るく言うと、男も同意するかと思ったのに彼は真剣に写真を眺めたまま顔を上げようとはしなかった。


「何よ…」


「いや。君の思うように行動したまえ。私はあくまで君のアシスタントをするだけだ」


「言われなくてもそのつもりよ。だけどあくまで虎間と龍崎 朔羅の間を引き裂くのは―――


あたしの最後の目的の布石にしか過ぎない」






どうせ最後はみんな死んじゃうんだし。






あたしは笑顔を浮かべて写真をもう一度眺めた。






最後の最後まで取っておいてあげるわ。



鴇田―――



あたしはアイスピックを彼の写真の真ん中に突きたてた。





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