。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
こ…怖い……
すぐ隣に戒がいる。キョウスケだっているのに…
二人はこの雷の中ぐっすり眠りこけているようで、まったく身動きしない。
ドーン!
また音がして、あたしはぎゅっと目を閉じた。
その頭をそっと誰かに撫でられた。
戒―――…?
うっすらと目を開けると、ぼんやりとしたシルエットが視界に入り、あたしはほんのちょっと安心した。
「俺が居るから大丈夫だよ」
あたしを安心させるためか、柔らかい声と口調で宥められ、急に気が抜けたのか戒の胸にぎゅっと擦り寄った。
「怖いよぉ」
戒の着ているTシャツをぎゅっと握る。
戒の体はちょっとびっくりしたように、びくりと体が震え―――
それでも戒はあたしを優しく包み込んでくれる。
「大丈夫」
背中を優しく撫でられて、温かい温もりにまたふわふわと心地よい眠気がやってきた。
目を閉じると戒はあたしを布団の上に丁寧に移動させた。
完全に夢に入る間際、腕が離れてくと分かったので、あたしは慌ててその腕を掴んだ。
「行かないで」
「隣にいるよ?」
「でも怖い…手を繋いでて」
そっと囁くと、戒があたしを上から覗き込んできた。