。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
夢か現実か―――暗闇の中で異様とも言える光りが行き交い、あたしの視界は複雑に滲んでいた。
ぼんやりとしたシルエットがあたしの顔に近づいてきて、
あたしはそっと目を閉じた。
「朔羅―――」
そう呼ばれて、優しく口付けされる。
爽やかな―――……シトラスの香り…
落ち着くなぁ…
あたしはキスされて今度こそ夢の中に入っていった。
――――
――
ん??
シトラス―――??
戒の香りじゃない!!
ぱっ!と目を覚ますと、昨日の嵐のような夜はどこへやら。
淡いブルーのカーテンからサンサンと太陽の光りが注いでいて、あたしは思わず目をかばった。
「重い…暑い……」
圧し掛かる重みと、夏特有の暑さ…以上に暑い!異常なまでの重圧感を感じてきょろきょろと目を動かすと、
両隣の戒とキョウスケがあたしを奪うように抱っこしながら、腕や脚を巻きつかせていた。
んぎゃぁあああーーーー!!!