。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。
街の方へ歩き出しながら、
「その髪型凝ってるね~♪すっごく可愛い☆」とリコがあたしの頭をじっと見て切り出した。
戒にセットしてもらった髪型は、毛先をゆる~く巻いてあって、ポニーテールにしてある。しかも、頭の上には編みこみがしてあって、カチューシャをつけてるみたいだ。
「お姫様みたい!」なんて思わずはしゃぐと、あいつは満足そうにしていたっけ。
「ああ、これ?戒にやってもらったんだ。あいつ器用でさぁ」
と、漏らすとリコはびっくりしたように
「龍崎くんが!?すっごいね!」と感心していた。だけどすぐに心配そうにちょっと眉を寄せると、
「お店が定休日ってことは龍崎くんもお休みなんでしょ?二人でデートとかしなくて良かったの??」心配そうに口を開いた。
「って言うか二人とも定休日だったこと忘れてたんだよね~。ま、リコとの約束が先約だし、寂しそうにはしてたけど、無理やり置いてきた」
「寂しそう??龍崎くんが?」
リコが意外そうにびっくりしたように口を開ける。
「あいつああ見えて結構寂しがり屋だぜ?今日も出かけるまで拗ねて、ふて寝してたし…っても冗談だと思うけど。出かけるときは普通に笑顔で見送ってくれたし」
とは言うものの、支度をしている間あたしの周りを纏わりついてくる戒の相手をするのが大変だった。
母親ヒツジに置いてかれる子ヒツジみたいに寂しそうな顔をして項垂れている戒を見ると、ちょっと悪い気がしたけど、あたしだってリコと遊びたいし。
と言っても戒が寂しがるのは可愛い範囲で、ふて寝したりしてあたしの気を引いたりはしてたけど、本気であたしを遊びに行かせないって様子はなさそうだった。
「ふて寝?龍崎くんが?なんか可愛い~♪」
「布団にくるまって横になってる後ろ姿なんて、ホントにぬいぐるみみてぇだったよ。あいつって何か母性本能くすぐられるよな」
あたしは笑うと、リコは
「龍崎くんっていいな~…朔羅とずっと一緒に居られるもんね…」と小さくもらした。