。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。



か、可愛い―――!!!


顔から火を吹きそうになって、思わずあたしはキョウスケの肩に顔を埋めた。


「おい。そんなに引っ付くな」


戒がべりっとキョウスケからあたしを引き剥がす。


「お前は俺の嫁なんだよ!他の男とイチャイチャすな!!」


「よ、嫁!!べ、別に!イチャイチャなんてしてねぇよ!」


キャンキャン吠えて喧嘩をしていると、キョウスケがあきれ返ったようにあたしを振り向いた。


「ところでお嬢、この青龍会本部の墓が何で気になるんですか?」


「や。思い過ごしかもしれねぇけど、今回の事件に何か関わっていそうだから…さ」


はっきりとした根拠はない。単なるあたしの勘だ。


だから答える声も弱々しくなってあたしは俯いた。


戒とキョウスケは顔を見合わせて、何かを考えているようだった。


少しの沈黙が流れて、やがて口を開いたのは戒だった。


「まぁ朔羅がそう言うのなら、行ってみる価値はあるんじゃね?何もなかったにしろ、俺はお前の母ちゃんに挨拶できるからな」


「あ、挨拶??」




「うん♪『はじめまして。朔羅の夫の戒です♪朔羅さんは俺が必ず幸せにしますから、天国で見守っててくださいね♪』って」




お…夫―――!!



主人、husband……





キャ~~~!!そぅだった!!!





ど、どうしよっ!!今から緊張するよっ!






< 29 / 592 >

この作品をシェア

pagetop