。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


イチが載っているのはほんの3P程だった。


『一週間デートコーデ』っていう定番のコーナーに、きれいな服を着たイチがたくさん載っていた。


この前見たときよりちょっとだけ、若いかな?でも基本顔は変わっていない。


ちょっと大人っぽくて妖艶な感じのする美人だ。


「モデルのプロフィールとか載ってないんですかね?」


「売れっ子だったら載ってると思うケド、この当時は巻頭ページを飾るほどじゃなかったなぁ」


とリコも真剣な口調。


リコにはイチとのいきさつを軽く説明してある。


「でもまさかヤクザさんだったなんてね~」


「まだ極道とは決まったわけじゃねぇよ。幹部の誰かの知人って程度かもしれないし」


と戒は口にしたけれど、自分でもその言葉に説得力がないことに気付いているのか、首を捻っている。


「モデル事務所が裏でヤクザと繋がってるってのはよくある話です。その関係かもしれませんね」


とキョウスケが冷静に口を開いた。


でも…


「「「う゛~~~ん…」」」


どれも説得力に欠けてるって言うか、イマイチぴんとこないんだよねぇ。






「また行き詰まりかよ!こんなに手こずる女は朔羅以来だぜ!!」と、戒が腕を投げ出した。






手こずるって!!


「悪かったな!面倒な女で!」


あたしはまたも戒の胸ぐらを掴んだ。ついでに喧嘩っ早くて悪いな。


「そう言う意味じゃなくて!お前の場合はこっち振り向かせるのに大変だったって意味だ。何せお前は琢磨さん一筋だったからな」


「お嬢もどこをどう転んで“これ”を選んだのか…」


とキョウスケが呆れたように肩をすくめる。


「悪かったな!どうせ俺はまだガキだし、あいつみてぇに金持ってねぇよ!」


今度は戒がキョウスケを睨む。


「ちょ、ちょっと喧嘩はやめて?」


とリコが可愛らしく仲裁に入った。


やっぱりあたしらまとまりねぇな……




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